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aviva2003 Summer より抜粋

「時間が許すかぎりもっと良くなるんじゃないかと、描き続けてしまいます」(陳)

天野先生は、作品が「完成した」と筆を置くのはどんなきっかけの時ですか?私はいつまでも描き続けてしまうんです。
   
天野 描いている作品を締め切りが来て編集者に持っていかれた時かな(笑) それは冗談としても、依頼されて描く作品は設定された締め切りがひとつの区切りになりますね、僕の場合は。
   
それは私も全くその通りですね。私の場合はCGで描いているので、塗り込んだり、描き足したり、修正したりは大袈裟ではなく永遠に続けられますから。いつもついついエンドレスになってしまいます。わかっていても、描いちゃう。作品を取りに来た編集の人に背後から「陳さん、もう十分、綺麗ですよ」って声を掛けてもらわないと、踏ん切りがつきません。モニター画面から離れられない(笑)
   
天野 僕は作品によっては描いていて「これで完成かな」っていう瞬間があるんですよ。非常に説明しにくい感覚的なものですけどね。これ以上描いたり塗り重ねたりなどと手を入れると、逆に作品が死んでしまう、魅力が損なわれてしまうな、と感じる瞬間。もう一本ここに線を描き足しちゃうと作品が壊れるかも、というギリギリの作品バランスを感じとれる時があります。描いている時にふっと手が止まって、目の前の絵をみつめ直したくなる。そして「ちょっと待てよ、この絵はもしかするとここまでかもしれないぞ」なんて。だって絵の完成って、その作品に費やした手間とか時間の長さじゃ計れないわけですからね。10年かけたからといって完成品というわけでもないし、まだ一週間だから未完成、というわけでもありませんから。僕はあまり長く同じ作品に関わり続けていると、飽きるだろうな(笑)
   
作品の完成、未完成は費やした時間ではないのはあたり前のことだし、大切なのは自分が納得できるかどうかなんですよね。わかっているつもりなんだけどな。私は自分の作品はいつまででも描き続けられるんです。全然飽きないです。時間が許すかぎりもっともっと良くなるんじゃないかと、描き続けてしまいます。小さな部分を修正したり、手を入れ続けてしまうんです。自分では完璧主義者ではないつもりですが、理想主義者なのかもしれませんね。
   
天野 でもそれって、絵描きの誠意っていう心の部分もありますよね。自分の作品に対して、また、その作品をみてくださる方々に対する誠意。自分の最高を追い求める気持ちは、すごく大切なことでもありますよね。


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